
枠番どおりに進入が決まる進入固定競走は、ルールが明快なぶん情報を磨けば着順の見立てが安定しますが、思い込みで固め撃ちすると回収が崩れます。この記事では固定進入の特性を整理し、展示と番組から出目を設計して買い目と資金を圧縮する手順を示し、読みの再現性を高めます。
- 進入固定競走の要点を整理し堅実な狙い所を掴む
- 展示の強弱からインの押し引きを定量で判断する
- 出目の傾向と資金配分で回収率の下振れを抑える
固定進入は安心と油断が混じる局面ですから、まず「なぜ固くなるのか」「どこが崩れるのか」を同時に見られる観点を作りましょう。読みの軸を持てば波乱と順当の分岐に慌てず、進入固定競走で期待値を逃さない買い方にたどり着けます。
進入固定競走の全体像とルールを最初に整理する
進入固定競走は枠番どおりの進入が義務づけられるため、前づけや深インの揺らぎが抑えられ予測変数が減りますが、機力差や風向きでインの優位が薄まる場面は必ず生じます。まずは通常戦との違いと番組表のシグナルを押さえ、固定進入ならではの強弱の源泉を言語化していきましょう。
固定進入の定義と通常戦との違い
通常戦は待機行動でコース取りの駆け引きがあり深さや助走が変わりますが、進入固定競走では枠なりが担保されスタート助走の変動幅が小さくなります。したがってコース別一次勝率やモーターの素性といった静的データの効きが増し、展示の差分がより素直に着順へ反映されます。
番組表の表示とチェック手順
番組表では進入固定の表記とともに、1号艇の格や近走、同枠のスタート勘が重要な補足になります。まず1枠の信頼度、次に2枠の差し足、さらに3枠の攻め足を順番に確認し、固定進入ゆえの「内優位」がそのまま再現される条件かを短時間で判定しましょう。
イン1号艇の優位と限界
固定進入はインが守られやすく一次的に1着率が上がりますが、助走が短い水面や強い向かい風では握っても押し切れない局面が出ます。展示で回り足が鈍い、起こし位置が深い、2枠が出足型といったシグナルが重なるなら、差し警戒で固くても点数を割きすぎない設計が機能します。
若手や女子戦での意義
通常戦では慣習や遠慮で若手が外寄りになることがありますが、進入固定競走では枠の権利が守られるため力量どおりの試走になりやすいです。経験差によるコース取りの偏りが消える分だけ、モーター素性と回転域の合致が着順を左右し、番組の意図も読み取りやすくなります。
適用されやすい時間帯とシリーズ
モーニングや昼時の一部、シリーズのプロモーション枠などで固定進入が組まれることが多く、初見の来場者でも当てやすい設計が背景にあります。開催傾向を把握すれば同じ時間帯で似た意図の番組が並び、進入固定競走の優位構図を横串で流用できるようになります。
進入固定競走は「枠の力×機力×気象」の掛け算で成り立つため、まずは基礎の確認項目を手元に置きましょう。下のチェックリストを用意しておけば、見落としを減らし固定進入の読みを安定化できます。
- 1枠の一次勝率と直近スタート勘の整合を確認する
- 2枠の出足と差し率を見て逆転条件の強度を測る
- 3枠のまくり足とカド勢の機力差を見比べる
- 展示タイムと周回足で押し引きの根拠を作る
- 風向と波高で握りの効き方を言い換える
- 潮や水質で助走の価値が変わる点を記録する
- 番組の意図と配当面のメリハリをセットで見る
- 買い目点数を先に決め資金配分を逆算する
チェックを流れ作業にすれば、進入固定競走で悩みやすい「固すぎて妙味がない」を回避できます。内の信頼と崩れ筋を同時に置き、想定と違う表示が出たときだけ攻守を切り替えるのが安心です。
進入固定競走で展示からイン強度を数式化する

固定進入では枠が守られるぶん、展示の差が素直にスタート攻防へ乗るため、主観的な「良さ」だけでは精度が揺れます。起こし位置、回り足、直線の伸びを簡易スコア化し、進入固定競走でインが押し切る確率を事前に言語化していきましょう。
起こし位置と助走距離の把握
進入固定でも起こし位置が深ければ助走が短くなり、1枠の踏み込みが遅れて差し場が生まれます。展示でスリットの見え方と起こしの角度を合わせて評価し、深さが出ても回り足で補えるかを同時に点検しましょう。
伸び型と出足型の見極め
伸び型はスリット先の押しで優位、出足型は1マーク侵入の舟の向きが作りやすい特徴があり、固定進入では2枠の差し足に直結します。1枠が伸び寄りで回り足が薄い場合、2枠出足型のときは差しの刺さり率が上がるため、買い目の厚みを入れ替えるのが有効です。
スタート勘とコース別タイム
固定進入は深さの変動が小さいため、コース別のスタート勘がそのまま再現されます。直近のコンマと巡航の滑らかさを確認し、外が強い日の波乱条件か、それとも内が揃う日の順当に寄せる局面かを切り分けましょう。
以下の表で展示チェックの観点を共通化し、進入固定競走の判断をチーム内でも再現できる形にしておきます。導入で述べた三要素を指標化し、強材料と弱材料を同時に並べると買い目の優先順位がぶれにくくなります。
| 指標 | 観点 | 強材料 | 弱材料 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 起こし | 角度と深さ | 角度が一定で浅め | 深くばらつく | 助走短縮の影響 |
| 回り足 | 舳先の向き | 掛かりが速い | 立ち上がり重い | 差し返し余地 |
| 直線伸び | スリット後 | 押し強い | 押し負ける | 3枠の攻め対応 |
| 展示タイム | 周回速度 | 上位キープ | 下位停滞 | 時計と体感差 |
| スタート勘 | 近走コンマ | 安定して前 | 届かない | 風向補正 |
| 気象面 | 風と波 | 追い風穏やか | 強向かい | 握りの効き |
表の項目をルーティン化すると、イン信頼の日でも「深さ」「差し足」「外攻め」の重なりで崩れる筋を拾えます。進入固定競走は枠が固定でも水面は固定ではないため、展示に現れる小さなズレを買い目の厚みへ確実に変換していきましょう。
進入固定競走の出目設計と買い目圧縮のロジック
固定進入は内優位で配当が細りやすい一方、読みの精度が上がれば点数を削っても的中を保てます。ここでは進入固定競走でのフォーメーションの型、波乱シナリオの条件、資金の最適化を一体で設計し、無理に広げず回収を残す考え方を共有していきましょう。

固定進入の順当筋は1−2軸のフォーメーションになりやすいですが、常に同じ厚みを置けばオッズ劣化で回収が失われます。展示の回り足と2枠の差し足が揃う日は1−2−3の厚みを上げ、3枠の攻め足が光る日は1−3−2に入れ替えるといった微調整を資金比率に落とし込むのが有効です。
イン逃げフォーメーションの型
1着固定で2着2枠、3着は内寄せの1−2−3,4,5といった定番は固定進入と相性が良いですが、点数を出し過ぎればトリガミが増えます。自信度に応じて3着の5点を3点に落とし、進入固定競走の順当度合いを反映することで、必要十分の押さえだけを残しましょう。
波乱シナリオの条件
強向かい風や波高上昇で握りが利かない、2枠が出足型で刺し達者、3枠が伸び型で攻めに出る、これらが重なるとインの押し切り確率が下がります。固定進入ゆえに内側から崩れると配当が跳ねやすいので、1−3、2−1の裏目や2−3の一次逆転まで含めた軽い保険を用意しましょう。
点数と資金の最適化
点数は6〜8点を上限に設定し、厚い目と薄い目の比率を3:1程度で配分すれば小型でも回収が残ります。進入固定競走の日は的中率が上がるため、均等買いではなく厚薄管理で効率を引き上げ、累積の下振れに備えてベットサイズの上限も明示しておくと安定します。
次のリストは買い目圧縮の意思決定を支える論点です。導入で触れた順当と波乱の分岐を、固定進入の文脈でそのまま資金配分へ翻訳するためのメモとして活用してみましょう。
- 順当日は1−2中心で3着2点に圧縮し厚みを集中する
- 波乱材料が2つ以上なら裏目を2点だけ残す
- 厚薄比率を事前宣言し場当たりの追い金を止める
- 直前オッズが閾値未満なら撤退も選択肢に入れる
- 押さえ目の回収期待を数値で残し買い過ぎを防ぐ
- 日次の回収率が閾値割れなら以降は見送りに徹する
- 進入固定競走でも例外条件を記録し学習を回す
買い目圧縮は技量ではなく手順の問題で、固定進入のときこそ最適化の余地が大きくなります。進入固定競走で残すべき目を先に決め、展示と直前オッズが合致しないなら潔くスキップするのがおすすめです。
進入固定競走で競艇場別の水面・風と枠の効き方を読む

同じ固定進入でも水面や風の環境差でインの押し切り率は変わり、番組の意図も競艇場によって色合いが違います。ここでは進入固定競走の文脈で場ごとの癖を抽象化し、天候と時間帯の組み合わせで読みを微調整していきましょう。
静水面での順当度と注意点
防風ネットや掘り込みが効いた静水面は助走が安定し、固定進入の内優位がそのまま出やすい一方、整備劣勢の1枠は伸び返される危険があります。展示で1枠が押していないのに人気が先行しているなら、2枠の差しと3枠の攻めを厚くする設計が合理的です。
向かい風と波高上昇の影響
強い向かいは握りの推進が鈍って差しが届きやすく、固定進入でも内の信頼度は低下します。波高が上がると回り足の差が拡大するため、出足型の2枠と回り足の良い4枠の台頭に備えて、順当フォーメーションの厚みを平準化しましょう。
時間帯と潮汐の掛け算
モーニングや干潮寄りの時間帯は水が軽く直線押しが通り、固定進入では1枠の逃げが増えやすくなります。夕刻の向かいや満ち潮は差しやすいトレンドが出るため、進入固定競走でも1−2堅信に固執せず、展示と合わせて設計を一段階だけ緩めてみましょう。
以下の箇条を目安に場特性への当てはめを簡略化し、固定進入日の会場選びを効率化します。導入で述べたように環境で順当と波乱の比重が変わるため、進入固定競走の読みも場に合わせて微修正が必要です。
- 直線押しが効く場では1枠の押し切りに厚みを置く
- 風の巻きが強い場では2枠差しの刺さり条件を重視
- カド勢の攻めが決まりやすい場は3枠の相手候補を厚く
- 周回のうねりが残る日は回り足型を優先して評価
- 潮汐差が大きい場は時間帯で読みを日内調整する
- 進入固定競走の番組が多い場は配当低下に注意する
- 場替わり初日はデータの効きを控えめに扱う
- 当地巧者は固定進入ほど指数の信頼度が上がる
会場特性を箇条で持っておくと、同じ進入固定競走でも判断の初速が上がります。場ごとの癖とその日の気象を重ね、固定進入の強弱に即したフォーメーションへ落とし込んでいきましょう。
進入固定競走の資金配分と回収率管理を仕組み化する
固定進入は的中率が上がる反面で平均配当が落ちやすく、資金の置き方次第で回収が急減します。ここでは進入固定競走の買い目圧縮と連動する資金配分、オッズの閾値設計、撤退基準の作り方を具体化し、長期の収支を守っていきましょう。
厚薄比率とベットサイズ
厚い目と薄い目の掛け金比率を3:1に固定し、日次の上限ベットを総資金の2〜3%に抑えれば下振れを吸収できます。固定進入は「当てる快感」で追い金しがちなので、前日夜にベット計画を書面化して現場判断を最小化するのが現実的です。
オッズの許容幅と撤退基準
直前オッズが事前の期待値を割り込んだら見送る、これは固定進入ほど重要で、薄利の積み上げにノイズを入れない工夫です。撤退基準は日次回収率や連敗数で複合的に定め、進入固定競走の固い番組でも「買わない勇気」を仕組み化しましょう。
配分テンプレートの共有
次の表は6〜8点構成を想定した資金配分テンプレートで、厚い目と薄い目の差を金額で固定します。固定進入は目の入れ替え頻度が高くないため、金額枠を守るだけでブレが抑えられます。
| 点数 | 厚い目 | 薄い目 | 総額比率 | 想定回収閾値 |
|---|---|---|---|---|
| 6点 | 4点×3 | 2点×1 | 100% | 1.25倍以上 |
| 7点 | 4点×3 | 3点×1 | 100% | 1.30倍以上 |
| 8点 | 4点×4 | 4点×1 | 100% | 1.35倍以上 |
| 撤退 | — | — | 日次−15% | 以降見送り |
| 上限 | — | — | 資金2〜3% | 固定 |
テンプレは配当や自信度に応じて微修正すれば十分で、毎レースの思考コストを下げられます。進入固定競走の日は仕組みの有無が回収差になりやすいので、数表を貼り出し迷いを減らしていきましょう。
進入固定競走のデータ活用と検証フローを作る
固定進入は変数が少ないため検証効率が高く、短期間でも仮説が回りやすい領域です。展示と番組のログを整え、進入固定競走の読みが当たった理由と外れた理由を分離し、次節へ再現可能な知見として返していきましょう。
ログ設計と最小記録項目
起こし位置、回り足、伸び、風向、配当、厚薄、撤退判断の可否を最低限の項目として記録します。固定進入は似た番組が並ぶため、同じ条件の積み上げで小さな差分が見え、次の進入固定競走で調整点が自然に浮かびます。
仮説検証の粒度
1節内での連番仮説と、同時間帯の横串仮説を分けて評価すると原因の切り分けが容易です。固定進入での的中と不的中を同価値で扱い、強材料と弱材料の重なりが回収へどの程度効いたかの寄与を数字で残しましょう。
共有とフィードバック
メモやテンプレは1枚にまとめ、当日の朝に自分へ読み上げるだけでも判断が揺れにくくなります。進入固定競走の手順を可視化しておけば、同行者とも認識が揃い、場の空気に流されずに買いが組めます。
以下は検証日の動線を箇条で整理したものです。導入で説明した変数の少なさを生かし、固定進入の場で小さく速く学習を回していきましょう。
- 番組確認で固定進入の有無と時間帯を先に抜き出す
- 展示で三要素の差を採点し仮説に点数を足す
- 直前オッズで閾値割れを確認し撤退を許容する
- 買い目確定後は厚薄比率を固定し追い金を禁止する
- 結果は厚薄別に寄与を記録し次節へ反映する
- 波乱要因が重なったレースは写真付きで別管理する
- 進入固定競走の学びは通常戦に水平展開する
検証の回しやすさは固定進入の大きな利点ですから、まずは小さく始めて一定の期間は型を崩さず、進入固定競走の知見を資産化していきましょう。
進入固定競走でよくある罠と回避フローを体系化する
固定進入は「当たりやすい」というイメージが強く、思考を止めたまま買い目を広げがちです。最後に進入固定競走で陥りやすい罠を整理し、回避のための簡易フローを用意して、判断の質を一定に保っていきましょう。

「固定だから固い」で思考停止し、人気だけで厚みを置くと回収が痩せますから、展示の弱材料が一つでも出たら厚みを均すのが安全です。オッズが閾値を割ったら撤退、風が強まれば裏目を軽く追加、終盤は日次回収の下限で打ち止めという手順を決めておけばブレが減ります。
人気先行と情報の逆転
1枠人気が加熱し過ぎたとき、展示は2枠の差しが強いのに配当が見合わないなら厚みは動かさず見送りが合理的です。進入固定競走は情報の非対称が小さいため、無理に穴を狙うより撤退判断の精度で差がつきます。
過度な点数とトリガミ
固定進入の安心感から点数を増やすと、的中しても利益が残らず次の資金が痩せます。上限点数と厚薄比率を先に宣言し、進入固定競走の日はテンプレどおりに買い切ることで、回収のぶれ幅を狭めましょう。
展示過信と気象の見落とし
展示が良いのに本番で押し切れないのは、風向変化や波の立ち方で条件が変わるからです。固定進入は枠が固定なだけで水面は動的なので、直前の旗や水面のさざ波を見て、進入固定競走でも読みを小さく修正する柔軟性を残しましょう。
最後に簡易フローを置き、固定進入での買いを自動化します。番組→展示→オッズ→資金→撤退の順に5つの関門を用意し、いずれかで閾値を割ったら買わない、通過ならテンプレに沿って厚薄で執行、という直線的な流れが実戦では機能します。
まとめ
進入固定競走は変数が少なく読みを磨きやすい一方、配当の薄さと油断が最大の敵です。展示で起こしと回り足と伸びを点数化し、順当と波乱の条件を先に定義、点数を6〜8点に圧縮して厚薄3:1で配分すれば、固定進入でも回収率の底割れを防げます。
場ごとの癖と気象を重ね、撤退基準を明文化すれば日々の判断は再現可能になります。今日から進入固定競走では「読む→測る→絞る→守る」を小さく反復し、配当が細い日でも期待値のある買いだけを淡々と打ち切っていきましょう。


